談林サロン

DANRIN SALON

建築家のお大師様

2020/07/27

日本最古の塔は法起寺の三重の塔です。
五重の塔、七重の塔、東大寺には東西に100メートルを超える十三重の塔もありました。
日本には通称多宝塔という形の塔があります。上下二層の塔ですが上下二層の間に半球形の
層が挟まれています。
実際にこの多宝塔の建築を間近でつぶさに見ましたが、気が遠くなるような数の材木を縦横斜めに組み合わせる複雑な構造ですね。
その材木同士がその重さやバランスで互いを支え合っています。
少しでも組み合わせがずれれば塔は傾き歪んでる倒れてしまいます。
正しく材木を組み合わせる何か符号が必要です。(その符号についてはまたご紹介します〕
多宝塔には真言密教の教えが深く秘められています。1200年前にこの複雑な塔を設計し、その工法を正しく棟梁に伝えたお大師様は、日本の歴史に輝く建築家の一人ともいえます。
多宝塔の正式名称は大日如來法界体性塔、大日如来な方の世界を体現する棟梁という意味です